顎変形症  手術はすべて口の中から

 

「昔がうそのように、今は何でも食べられます」「もっと早く治療すればよかった」「食べられるというだけで満足」

これは、かみ合わせの異常を治療するために行った手術後に、われわれが聞く最もうれしい言葉です。何でもよく食べられるという、人間の三大欲の一つをやっと満たされた喜びの声です。

 骨の発育により、かみ合わせに異常をきたしているものを総じて「顎変形症(がくへんけいしょう)」と言います。受け口(下顎前突症)、曲がったあご、上下の前歯の間にすき間ができていて歯がかまない(開咬症=かいこうしょう)といった状態が日本人には多くみられます。ほかには下あごが奥に引っ込んでいる(小下顎症)や下顎後退症、顔の中央部の突出感(上顎前突症)や落ち込み感(上顎後退症)がみられます。

 悪い歯並びや咬合(こうごう)不全を治すためには、歯列矯正で歯並びを整えることをします。あごの骨自体の問題により、過度にかみ合わせが悪い場合には、歯列矯正とあわせて、手術が必要となることもあります。

手術はすべて口の中から行い、あごの骨を切り、ずらしてかみ合わせを治すもので、その歴史は古く安全な手術です。

この手術は、かみ合わせ異常という病的状態を治療するものですから、健康保険の対象となります。十日間ほどの入院で、手術代や入院費を含めて、3割負担ならば二十―二十五万円ぐらいです。

 受け口がひどい場合には、そばもパスタも食べられません。かみ合わない歯の代わりに、舌と上あごの口蓋という部分で食物をつぶして食べている人もいます。もし、かみ合わせが悪く食事を丸飲みしているようでは、胃の負担も大きく、五―十年は寿命も縮むと言われています。

かみ合わせのことでお悩みをお持ちの方、是非ともご相談にいらして下さい。