かみ合わせの異常 日本人に多い受け口  歯列矯正、手術で治療

 

 江戸時代の浮世絵で、近松門左衛門が描いた「歌麿」や「ビードロを吹く女」に見られるしっかりしたあごを、社会科の教科書で見たことがあると思います。

元来、日本人の顔は欧米人に比べ、顔やあごの骨、特に下あごの成長発育がよく、いわゆる受け口になる傾向が強いといわれています。専門的には、「下顎(がく)前突症」と言います。下顎骨の過成長によりあごが前に出て、それにより歯並びが悪くなる。さらには歯がかみ合わない状態を言います。

中には、歯全体で数本しかかんでいなく、物が食べられない、かみ砕けない、さらに発音が不明瞭だったり、話しづらいといった深刻な状況を招きます。

 かみ合わせや歯並びを悪くする原因としては、大きく先天的と後天的なものの二つに分けられます。

先天的なものには、生まれつき歯が欠如していたり、歯の幅と歯が並ぶ提の長さのアンバランスによるもの、そしてあごの骨の成長によるものがあります。上顎骨は十二歳ぐらいまでに出来上がり、下顎骨は身長の伸びが止まってからもう少し伸びます。このあごの骨の成長が劣ったり、逆に過度になることにより、結果としてかみ合わせや歯並びを悪くします。

 後天的なものとしては、虫歯や歯周病、あるいは事故やけがで早くに歯がなくなってしまい、歯が動いてしまったことに起因するものがあります。あごの骨の骨折や顎関節症によるあごの変位もあります。特に幼少児期における顎関節部の骨折や炎症(顎関節強直症)は重大な原因となります。

そのほかの原因としては、指しゃぶり、口を常に開けて口で呼吸をする口呼吸、舌を前に突出するなどの弄舌癖(ろうぜつへき)、舌が大きくて歯並びの外にはみ出してしまう巨舌症などがあります。

さらにリウマチや骨髄炎によるあごの骨の吸収や変形といった原因もあります。原因は多種多様ですが、治療は歯列矯正や手術により可能です。